Tuesday 12 June 2012

Helvetica:フォントについてのドキュメンタリー映画



かれこれ1年以上は前から観たいなと思っていたHelveticaというドキュメンタリー映画を観ることができました。映画を作ったのはGary Hustwitという人で、映画の作成やファンド集めなどとても多様なことをこなしていて、凄いなと思います。

Helveticaはベトナム戦争辺りの時代に生まれて、その時代にユビキタスに何にでも使われる様になり、MacやWindowsでも標準フォントとして取り入れられる様になったらしいです。その後のデモクラシーや表現の自由を求めるという時代になるとそんな何にでも使われるフォントを使うことに対する動きは活発になってきているという話もありました。

フォントは日常生活では私はあまり気にしないで生活していますが、その歴史的背景などを掘っていくと(他のどんなサブジェクトでもですが)とても興味深いです。この映画では歴史的背景より現代の社会でフォントがどのように作られて使われているかという切り口でした。どんな切り口で扱っても面白いですね。フォントに関係のある仕事をしている人、今まで無かった人でもこの映画を観てフォントに興味を持ったら他にも書籍などたくさんフォントについて学ぶ機会があるので、試してみてください。

私にとって、ストレートに制作者が意図した内容を理解することに加えて、日本というある意味特殊な文化圏に住む一人として、面白さを感じました。まずHelveticaが現代の社会ではあまりにも広くのシーンで使用されているという話ですが、それは日本ではPCの世界を一歩出れば関係の無い話です。また、日本では中国の流れを受けて発展した漢字や独自のひらがな・カタカナがありフォントの開発が面倒なだけに市場がほぼ独占状態になってしまっている現代的な社会・文化背景があります。

残念ながらこの映画は日本のiTunes Storeでは入手できません。正規で入手しようと思えば、直接映画制作者に問い合わせてDVDを送ってもらうしか一般的に手が無いのではないでしょうか?

日本でiTunes Storeにドキュメンタリー映画という項目が無いことなど、ドキュメンタリー映画を観る機会がとても少ないことについてはいつもぼやいています。今回は最近導入したiPad3を用いてiTunes Storeにちょこちょこと細工をしてやっとレンタルすることができました。別にお金を払ってもよいので、もっと公優れたドキュメンタリー映画に日本でも触れられる時がくるのを楽しみにします(私もできる限り貢献します)。

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